Frontend の書き込みアクセス

MERLIC RTE を開始すると、接続済みの通信デバイスまたは産業用制御システムで MERLIC を制御できます。つまり、プロセス統合モードでの MERLIC の実行中は、ユーザー対話は不可能です。ただし、プロセス統合中に Frontend 用に書き込みモードを有効にできます。このモードは、「OperationalFrontendAccessMode」と呼ばれる MERLIC の状態の 1 つで、Designer ウィジェット 書き込みアクセス を通じて有効化されます。

制御が Frontend に切り替わると、MERLIC の内部状態が「OperationalFrontendAccessMode」に変化します。各通信デバイスまたは制御システムでは、MVApp の実行またはレシピファイルの読み込みのためにコマンドをトリガーできなくなります。デジタル I/O デバイスまたは GenICam 準拠のデジタル I/O チャンネルを備えたカメラデバイスでは、MERLIC が「OperationalFrontendAccessMode」の場合、「Ready」信号は 0 に設定されます。ただし、引き続き MVApp 実行の結果を照会できます。MERLIC の状態を確認する際、「Ready」信号が短時間 1 に設定される場合があります。デジタル I/O デバイスを使用する場合、Frontend アクセスが実行されると、以前に設定されたすべての結果信号は 0 に設定されます。

デジタル I/O デバイスまたは GenICam 準拠のデジタル I/O チャンネルを備えたカメラデバイスを使用する場合、「Ready」信号の値が MERLIC の現在の状態に関する誤解を生じる可能性があります。これは、MERLIC が通信デバイスまたは制御システムのコマンド (「StartSingleJob」コマンドなど) を処理する場合、「Ready」信号も 0 に設定されることが期待されるためです。

たとえば、通信デバイスまたは制御システムが「StartSingleJob」コマンドをトリガーした場合、1 回の実行のために各信号は 1 に設定されます。コマンドが認識されると、MERLIC は 1 回の実行を開始します。ユーザーが Frontend 用に書き込みモードを有効にし、1 回の実行のための信号が認識されていない遅延時間中に MERLIC がこのリクエストを受信した場合、このリクエストが先に認識されるため、MERLIC は「OperationalFrontendAccessMode」モードに変化します。期待される 1 回の実行は正常に処理されません。しかし、「Ready」信号が 0 に設定されているために、MERLIC が「StartSingleJob」コマンドを処理したように見える可能性があります。デジタル I/O デバイスまたは GenICam 準拠のデジタル I/O チャンネルを備えたカメラデバイスを使用する場合、内部 MERLIC 状態「SingleExecution」および「OperationalFrontendAccessMode」を照会できないため、「Ready」信号が 0 に設定された理由を追跡できません。

誤解を避け、正しい製造プロセスを確保するため、MERLIC の制御を Frontend に切り替える場合、現在の製造プロセスを慎重に考慮した上で、マシンコントローラと同期することをお勧めします。また、書き込みモードを有効にする権限を選択されたユーザーのグループに制限し、許可されたユーザーのみがこの機能にアクセスできるようにすることをお勧めします。MERLIC のユーザー管理の詳細については、「ユーザー管理のセットアップ」を参照してください。

書き込みモードの有効化の許可

プロセス統合モード中の Frontend の書き込みは、Designer のウィジェット 書き込みアクセス でのみ有効にできます。したがって、プロセス統合モードの実行中にウィジェットを使用するには、MERLIC Vision AppsFrontend 設計にウィジェットを追加する必要があります。

  1. MERLIC CreatorMVApp を開きます。
  2. MERLIC Designer を開きます。
  3. ウィジェットライブラリ」から Frontend 設計にウィジェット「書き込みアクセス」を追加します。

  4. オプションで、ウィジェットのレイアウトおよびプロパティをカスタマイズします。
  5. MVApp の変更結果を保存します。

選択されたユーザーのグループにのみ書き込みモードの有効化を許可する場合、MERLIC ユーザー管理を使用し、複数のビューを持つ Frontend を設計できます。これにより、選択されたユーザーのみがアクセス可能な特定のビューに「書き込みアクセス」ウィジェットを追加できます。ユーザー管理および、Frontend での複数のビューの使用方法の詳細については、「ユーザー管理のセットアップ」および「ビューの操作」を参照してください。

Frontend 用の書き込みアクセス権限の取得

MERLIC がプロセス統合モードで実行されており、MVAppFrontend で「書き込みアクセス」ウィジェットが使用可能な場合、Frontend 用の書き込みモードを有効にできます。

書き込みアクセス」ウィジェットのハンドルをクリックして、書き込みモードを有効化します。

Frontend 用の書き込みアクセス権限を取得すると、FrontendMVApp の編集を開始できるようになります。たとえば、「実行コントロール」ウィジェットを通じて実行をトリガーしたり、パラメーター設定を調整できます。

プロセス統合モード中の Frontend 用の書き込みモードは、明示的に解除するまで有効です。制御を通信デバイスまたは産業用制御システムに戻すには、Frontend で書き込みロックを明示的に解除する必要があります。

書き込みロックを解除

MERLIC の制御を通信デバイスまたは産業用制御システムに移転するには、Frontend で書き込みロックを明示的に解除する必要があります。いくつかのオプションから選択できます。

  • 書き込みアクセス」ウィジェットのハンドルをクリックして、書き込みロックを解除します。

  • Frontend メニュー「アクセス」を開き、「書き込みロックを解除」をクリックします。

  • キーボードショートカット F2 を使用し、書き込みロックを解除します。
  • Frontend ウィンドウを閉じます。書き込みロックは自動的に解除されます。

書き込みロックの解除後、Frontend でのユーザー対話ができなくなり、書き込み許可が通信デバイスまたは産業用制御システムに戻ります。MERLIC の内部状態が「Ready」に変化します (「Preoperational」および「OperationalAutomaticMode」モードを通じて)。デジタル I/O デバイスまたは GenICam 準拠のデジタル I/O チャンネルを備えたカメラデバイスを使用している場合、MERLIC でデバイスからのコマンドを受け付ける準備が整っているときには、「Ready」信号は 1 に設定されます。

Frontend からレシピファイルの値を調整することはできません。レシピファイルを通じて実際に設定されたパラメーター値を変更した場合、レシピでこれらの変更を採用することはできません。

レシピファイルの読み込み時、つまり、MERLIC の制御が通信デバイスまたは産業用制御システムに戻され、「PrepareRecipe」コマンドがトリガーされた時点で、これらの変更は失われます。書き込みロックを解除しても、レシピファイルは再読み込みされません。したがって、この種の変更は、「PrepareRecipe」コマンドがトリガーされない限り、現在のアプリケーションでのみ維持されます。